Asset Log データ分析方法

Asset Logのデータ記事で、指数・実ファンド・参考系列を混ぜずに計算し、第三者が条件を追跡できるようにするための共通手順です。編集上の価値判断は編集方針、ここではデータ系列と計算だけを扱います。

1. 最初に「何の系列か」を固定する

同じ商品名が出ていても、指数値、ETF価格、投資信託の基準価額、分配金再投資基準価額は別の系列です。各記事の冒頭で、提供元、index / fund、price / total return、gross / net、通貨、為替ヘッジ、live / backtest、開始日、終了日を固定します。条件が一つでも違う系列は、同じ表へ無注記で接続しません。

  • 指数とファンド:指数はルールに基づく指標、ファンドは費用・追随差・取引実務を含む商品です。
  • 価格とトータルリターン:値上がりだけか、配当・分配の再投資を含むかを分けます。
  • 円と外貨:海外資産の円建てファンドには為替変動が含まれます。購入通貨が円でも為替リスクが消えるとは扱いません。

2. 出典の優先順位と取得記録

計算元は、指数管理会社、運用会社、官公庁、取引所などの一次資料を優先します。商品ページは現在条件、目論見書は契約・費用、月次レポートは基準日時点の構成、CSVは時系列計算というように役割を分けます。二次情報だけで数値を作らず、一次資料に到達できない項目は未確認として残します。

取得時にsource URL、retrieved_at、data_as_of、ファイルサイズ、行数、SHA-256を記録します。SHAは「内容が正しい」ことの証明ではなく、後から同じ入力ファイルかを照合する識別子です。提供元が過去CSVを差し替えた場合は、新旧の取得記録を残して再計算します。

3. 入力データの整形

日付を昇順に並べ、重複日、欠損、0以下の値、列名、単位を検査します。月次値は原則として各暦月の最後に取得できる営業日の値を使います。休日だからという理由で存在しない月末値を補間しません。欠損期間を別系列で埋める場合は参考接続値と明記し、実ファンドのlive履歴から区切ります。

4. リターンの計算定義

月次リターン

前月末値を P(t-1)、当月末値を P(t) として、P(t) / P(t-1) – 1 で計算します。設定月など前月値がない月は空欄です。表示は丸めても、集計は丸め前の値で行います。

年次リターンと途中年

完了年は前年の最後の取得値から当年の最後の取得値までを計算します。設定年に前年末がない場合は通年値を作りません。進行中の年はYTDとして基準日を明示し、完了年の年間リターンと区別します。

CAGR

開始値 P0、終了値 P1、実日数 d として、(P1 / P0)^(365.2425 / d) – 1 を用います。開始と終了を一定の年率へ直した値であり、毎年同じ率で増えた意味でも将来利回りでもありません。

年率換算ボラティリティ

月次リターンの標本標準偏差に √12 を掛けます。短い系列は標本数を併記します。損失だけを測る指標ではなく、上昇方向の変動も含みます。

最大ドローダウン

日次系列の過去最高値から、その後の値がどこまで下がったかを全期間で走査します。谷の値だけでなくピーク日、ボトム日、直前高値へ回復した日を記録します。未回復なら未回復と表示し、過去最大値を将来下落の上限とは扱いません。

5. 金額試算の境界

一括投資は開始日に同じ系列を買い、終了日に評価した単純比較です。積立は記事で明示した各購入日の価格で口数を積み上げます。税、端数、購入・換金費用を含めるかを必ず記載し、元金、評価額、損益を分けます。試算は運営者の保有実績でも将来予測でもありません。

6. 比較表で必ずそろえる条件

複数商品を比較するときは、実ファンド同士、同じ通貨、同じリターン種別、同じ開始日・終了日へそろえます。設定日が違う場合、短い共通期間へ切りそろえます。共通期間が短くなること自体を限界として表示し、CAGRの順位を恒久的な優劣へ置き換えません。

7. 検算と公開判定

元CSVの行数・日付範囲・先頭末尾値を確認し、月次・年次・ドローダウン・試算を別の検証ロジックで再計算します。公開表の値と計算JSONを突合し、data_as_of、retrieved_at、source URL、SHAが欠けていれば公開判定を止めます。外部サイトとの一致は参考確認であり、条件が違う数値への一致を正解扱いしません。

8. 更新・訂正

月次更新では入力CSVを新規取得し、過去値の差分も確認して全期間を再計算します。数値、式、出典、系列区分の誤りは該当記事を訂正し、重要な変更は更新履歴へ残します。ご指摘はお問い合わせフォームで受け付けます。確認できない値を推測で埋めません。

9. 読者が記事ごとに確認できるもの

各データ記事には、対象系列、期間、基準日、主要計算定義、一次出典、再現記録を残します。この共通ページへ移したことを理由に、記事単体で何を測ったか分からない状態にはしません。指数固有の選定・ウェイト・見直しルールは各記事で説明します。

最終更新:2026年9月3日

本ページは計算方法の説明であり、個別の投資助言、勧誘、成果保証ではありません。