全米株式を、指数・投資信託投資信託多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資する金融商品です。運用成果は投資家に帰属します。・過去実績に分けて理解する
データや商品名を混ぜず、何へ投資する仕組みなのかを初心者向けに整理します。
- 投資対象:本記事では『全米株式』をMorningstar US Total Market Indexへの連動を目指す投資として扱います。大型・中型・小型株を含み、投資可能な米国株式市場の100%を目標にカバーする指数です。
- 最大の特徴:2026年7月28日にCRSP Market IndexesがMorningstar Market Indexesへ名称変更されました。Morningstar公式発表では名称変更のみで、方法論は継続しています。
- オルカンオルカン三菱UFJアセットマネジメントの投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の通称です。全世界株式という資産分類そのものではありません。との違い:オルカンは米国以外も含みます。全米株式は米国の大型株から小型株まで広げますが、国の分散は増えません。
- リスク水準:中〜高。大型株から小型株まで広い一方、米国1カ国・株式100%・上位巨大企業・ドル円の影響を受けます。
全米株式は投資対象を測る物差しです。楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)は、その物差しへの連動を目指す日本の投資信託です。信託報酬・設定日・NISA区分は商品の条件であり、指数の仕様ではありません。
全米株式とは?仕組みを先に理解する
本記事では『全米株式』をMorningstar US Total Market Indexへの連動を目指す投資として扱います。大型・中型・小型株を含み、投資可能な米国株式市場の100%を目標にカバーする指数です。
| 正式名称 | Morningstar US Total Market Index(旧称CRSP US Total Market Index) |
|---|---|
| 指数提供者 | Morningstar Indexes |
| 算出開始 / launch | 2011年4月1日(2026年7月28日に名称変更、方法論は継続) |
| 対象市場 | 投資可能な米国株式市場全体 |
| 銘柄数 | 2026年6月の投資先ETFは3,531銘柄 |
| 加重方式 | 浮動株調整時価総額加重時価総額加重構成銘柄の時価総額が大きいほど、指数全体に占める比率を高くする加重方式です。浮動株比率を調整して計算する指数も多くあります。 |
| 選定 | 米国の投資可能な普通株式を対象に、浮動株調整後の規模と流動性などを確認します。大型・中型・小型・マイクロ株を固定社数ではなく市場カバー率で区分し、全体として投資可能市場の100%を目標にします。 |
| リバランスリバランス値動きなどで目標からずれた資産配分や指数の構成比率を、売買などで定めた比率へ戻すことです。実施時期と方法は商品や指数で異なります。 | 四半期ごとに再構成・リバランスします。固定の銘柄数ではなく、投資可能な米国市場全体のカバーを目標にします。 |
| 再構成 | 四半期ごとに構成を見直し、バッファー、パケッティング、段階的移行で不要な売買を抑えます。大型・小型の境界を一度の時価総額時価総額上場株式をある時点の株価で評価した総額で、一般に株価に株式数を掛けて求めます。個別企業の株主持分の市場価値や、市場全体の規模を表すために使われます。順位だけで機械的に往復させる設計ではありません。 |
何に投資し、どう重みを決めるか
加重方式は浮動株調整時価総額加重です。 2026年7月28日にCRSP Market IndexesがMorningstar Market Indexesへ名称変更されました。Morningstar公式発表では名称変更のみで、方法論は継続しています。
3,000超の銘柄を持っても均等配分ではなく、時価総額加重のため値動きの多くは大型株が担います。小型株を含むことと、大型株依存が小さいことは同義ではありません。
2026-07-31基準の代表ファンド資料で確認できた主な銘柄例は、NVIDIA、Apple、Microsoft、Amazon、Alphabet、Broadcom、Micron Technology、Meta Platforms、Teslaです。主な分野はテクノロジー、資本財、一般消費財、金融、ヘルスケアです。これは固定一覧ではなく、株価・採用変更・定期見直しで変わります。
銘柄入替え・リバランス
四半期ごとに再構成・リバランスします。固定の銘柄数ではなく、投資可能な米国市場全体のカバーを目標にします。
過去の値動きはどうだったか
代表ファンドの実績期間は2017-09-29〜2026-08-26です。この期間のCAGRは↑ +18.5%、最大ドローダウンは↓ -35.6%でした。指数の長期実績そのものではなく、円建て・信託報酬信託報酬投資信託の運用・管理に必要な費用として、信託財産から日々差し引かれる費用です。通常は純資産総額に対する年率で表示されます。控除後の実ファンド結果です。
メリットは何か、その理由まで確認する
大型株から小型株まで米国市場を広く持てる
大型株だけでなく中小型・マイクロ株まで1本で保有し、米国内の企業規模による取りこぼしを小さくできます。
固定銘柄数ではなく市場カバーを重視する
銘柄数を固定せず投資可能市場のカバー率を重視するため、上場企業数が変わっても『米国市場全体』という目的を維持しやすい設計です。
S&P500より小型株を含む
S&P500S&P500S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが算出する、米国の主要500社で構成される株価指数です。原則として浮動株調整後の時価総額で加重されます。の対象外になりやすい中小型株を含むため、将来大型株へ成長する前の企業も市場規模に応じて保有できます。
デメリットとリスク
米国1カ国への集中
企業数や規模区分は広くても、米国外株を加える指数ではありません。米国の政策・景気・市場評価への依存は残ります。
大型株の支配
小型株を数千社含んでも、浮動株調整時価総額加重では上位大型株の合計比率が大きく、値動きがS&P500に近づく局面があります。
小型株固有の変動
小型・マイクロ株は流動性、資金調達、景気の影響を受けやすく、大型株だけの指数とは異なる値動きが加わります。
為替・二重保有
代表ファンドは為替ヘッジなしです。S&P500と併用しても上位大型株が重複し、米国株以外への分散は増えません。
株価下落、集中、流動性、為替(海外株式の場合)などにより損失が生じます。過去の上昇率は、将来の成果を約束しません。生活費や近い将来に使うお金を投資する前提の記事ではありません。
日本で買う場合の代表商品
| 商品名 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI) |
|---|---|
| 運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
| 連動対象 | Morningstar US Total Market Index(円換算ベース、旧称CRSP US Total Market Index) |
| 信託報酬等 | 実質的に年率約0.162%(投信0.132%+投資先ETF0.03%、税込・概算) |
| NISANISANISA口座で対象商品を運用したときの売却益や、所定の受取方法などの要件を満たす配当・分配金を、制度枠内で非課税にする日本の制度です。 | つみたて投資枠つみたて投資枠NISAのうち、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託を対象とする投資枠です。対象商品は金融庁へ届け出られます。・成長投資枠成長投資枠NISAのうち、上場株式や一定の投資信託などを対象とする投資枠です。つみたて投資枠と併用できますが、対象外商品もあります。 |
| 為替ヘッジ | 為替ヘッジなし |
| 商品データ基準日 | 2026-07-31 |
代表例を「最良」と順位付けするものではありません。購入前には、最新の目論見書、運用報告書、総経費率、純資産、販売会社の取扱いを確認してください。
オルカン・S&P500との違い
| 対象 | 投資範囲 | 加重方式 | 主な違い |
|---|---|---|---|
| 全米株式 | 投資可能な米国株式市場全体 | 浮動株調整時価総額加重 | 2026年7月28日にCRSP Market IndexesがMorningstar Market Indexesへ名称変更されました。Morningstar公式発表では名称変更のみで、方法論は継続しています。 |
| オルカン | 先進国・新興国の大型・中型株 | 浮動株調整時価総額加重 | 米国以外も含む。S&P500等との併用は米国比率の上乗せになりやすい |
| S&P500 | 米国大型株 | 浮動株調整時価総額加重 | 米国大型株を広く持てますが、時価総額加重なので巨大テック企業の影響が大きくなります。 |
オルカンは米国以外も含みます。全米株式は米国の大型株から小型株まで広げますが、国の分散は増えません。
S&P500は米国大型株約500社、全米株式は中小型株まで含みます。ただし時価総額加重なので実際の値動きは大型株の影響が大きく、両方を持つと上位銘柄が重複します。
向いている考え方・注意したい考え方
検討しやすい考え方
指数の対象範囲と偏りを理解し、短期の順位ではなく長期の資産配分として選び、下落時も生活資金と分けて保有する考え方です。
注意したい考え方
直近の高いリターンリターン投資元本に対して、価格の変化や配当・分配金などからどの程度の損益が生じたかを示す値です。配当を含むか、税・費用を反映するかで値は変わります。だけで選ぶ、複数商品を持てば自動的に分散できると考える、近い将来に使うお金まで投資する考え方です。
初心者向け用語辞典
- トータルマーケット
- 大型株からマイクロ株まで、投資可能な一国市場全体のカバーを目標にする考え方。
- 市場カバー率
- 固定社数ではなく、対象市場の浮動株調整時価総額をどこまで含むかを示す割合。
- バッファー
- 境界付近の銘柄を頻繁に入れ替えないため、採用・除外基準に幅を持たせる仕組み。
- パケッティング
- 規模区分を移る銘柄の比率を段階的に移し、売買負担を抑える仕組み。
- 浮動株調整時価総額加重
- 市場で取引可能な株数を考慮し、企業規模が大きいほど比率を高める方式。
- 指数改称
- 指数名やブランドを変更すること。2026年のCRSPからMorningstarへの変更は方法論変更ではない。
よくある質問
全米株式は米国の全上場企業を必ず含みますか?
いいえ。投資可能性や流動性などの条件があり、文字どおり全上場銘柄を無条件で含む意味ではありません。
S&P500より必ずリターンが高いですか?
保証されません。中小型株を含む効果は期間によってプラスにもマイナスにもなり、上位大型株は大きく重なります。
3,000銘柄以上なら1社の影響は小さいですか?
均等配分ではないため、上位巨大企業の影響は大きく残ります。銘柄数だけで集中度を判断できません。
CRSPからMorningstarへ変わって中身も変わりましたか?
2026年7月28日の公式発表では名称変更のみで、方法論は変更しないとされています。
オルカンとの違いは?
全米株式は米国内で企業規模を広げ、オルカンは米国外の先進国・新興国まで国を広げます。
楽天・VTIは指数へ直接投資しますか?
主にVanguard Total Stock Market ETF(VTI)を通じて連動を目指すファンド・オブ・ファンズです。費用と追随差があります。
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公式出典
最終確認日:2026年8月27日。構成銘柄構成銘柄株価指数や投資信託を構成する個別の株式や債券などのことです。指数とファンドでは、構成対象や実際の保有状況が異なる場合があります。・商品条件は変わるため、購入前に最新の公式資料を再確認してください。
- Morningstar Indexes:指数概要
- Morningstar Indexes:算出方法
- 楽天投信投資顧問:楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・VTI)商品ページ
- 楽天投信投資顧問:最新目論見書
- 楽天投信投資顧問:2026年7月月次レポート
- 楽天投信投資顧問:設定来基準価額CSV
- Morningstar:CRSP指数の名称変更(方法論変更なし)
- CRSP:指数リファレンス(開始日2011年4月1日)
更新履歴:2026年8月27日—指数定義、集中リスク、商品条件、比較、用語、FAQを一次情報に基づき再構成。